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日々多神社(三ノ宮)

日々多神社(三ノ宮)

妻の実家に帰省した際に、前々から気になっていた比々多(ひびた)神社にお参りに行ってきました。

比々多神社は、大山(おおやま)の麓に鎮座する旧相模国の三ノ宮であり、大山と同一視される大山祇神(おおやまつみのかみ)と、その娘であり富士山と同一視される木花咲夜姫(このはなさくやひめ)を相殿にお祀りする由緒正しき神社です。

しかし、私が「前々から気になっていた」というのは、そうした御祭神や由緒がきっかけではなく、「ひびた」という一風変わった名前が地図を見ていてなんとなく目に止まり、漢字やその音(おん)が中国から入ってきた飛鳥時代よりもずっと前の時代の牧歌的で素朴な音の雰囲気を感じたからです。

それで色々調べてみると、実際、境内からは縄文中期の環状列石の跡が発掘されるなど1万年以上前の原初的な山岳信仰の形跡が見られることから「東日本最古級」とも考えられていて、神道が形成されるずっと前からの人間の自然に対する崇拝の場であったとのことなので、今回の帰省の折にお参りすることにしました。(余談ですが、縄文時代の西日本は鬼界カルデラの大噴火によって長らく人が住める状態ではなかったことと、東日本が今よりもずっと温暖であったことから縄文時代は西日本よりも東日本の方が発展していたと言われています。ですので、「東日本最古の祭祀跡」というのは実質「日本最古の祭祀跡」であると言えますね。)

妻の実家から神社までは結構な距離がありましたが、幸い天気にも恵まれ気持ち良く散歩することができました。本殿のある境内ももちろん気持ちのいい空間だったのですが、その裏手を少し上がったところに祀られている元宮(もとみや)からの景色は本当に絶景でした。背後に大山を戴き、伊勢原から平塚、さらには相模湾や三浦半島まで見渡せる景観で、(かつてはかなり内陸まで海が広がっていたでしょうから)山と里と海の恵みに感謝して日々の生活を営んでいた縄文人の気持ちを感じることができ、すごく気持ちのいい時間を過すことができました。

縄文人が見た景色をひとしきり満喫した後、神社に戻り鳥居を出たところでふと空を見上げると、なんと彩雲が。彩雲は「見た人に幸運が訪れる」とか「“今進んでいる方向で合っているよ”という天からのメッセージ」などと言われています。実際、私も3年前に彩雲を見たその日に訪れた転機に従った結果人生がうまく進んでいるといった経験をしているため、このタイミングで彩雲を見るということに特別な意味を感じました。しばらく空を見ていると、いたるところで彩雲が生まれては消えていくといった感じで、妻と「今日は彩雲祭りだね」と、天体ショーに見とれていました。

と、こんな感じで、大山や比々多神社、伊勢原の土地そのものに“歓迎されている感”をめいっぱい体感できた一日でした。神社好きの私ですが、“古代の神社”と言えばついつい西日本に目が行ってしまっていたのですが、これからは縄文文明が栄えた東日本の縄文人たちが抱いていたであろう自然への崇敬の念を感じられるパワースポットの神社を関東や東日本で色々と訪れてみたいなと思いました。